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【港区助成対象】帯状疱疹ワクチン(シングリックス、ビケン)
Herpes Zoster Vaccination
【港区助成対象】帯状疱疹ワクチン(シングリックス、ビケン)
三田国際ビルクリニックでは、帯状疱疹ワクチン(シングリックス、ビケン)を取り扱っています。
帯状疱疹や予防のためのワクチン、港区助成についてご説明いたします。
※港区では2023年1月よりワクチン費用の一部助成が開始されました(
https://www.city.minato.tokyo.jp/hokenyobou/yobousessyu/taijyouhoushin.html)
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帯状疱疹とは?
帯状疱疹は、多くの方が子供の頃に感染する水ぼうそうと同じ「水痘・帯状疱疹ウイルス(varicella zoster virus: VZV)」が原因で発症する病気で、皮膚に水ぶくれを伴う赤い発疹を帯状に生じます(そのため、「帯状疱疹」と呼ばれます)。痛みには個人差がありますが、眠れないほど痛むこともあり、無治療では3-4週間ほど続きます。また、頭痛や発熱といった全身症状や結膜炎、角膜炎、顔面神経麻痺、難聴、めまいなどの合併症を引き起こす場合があります。水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)は水ぼうそうが治った後も、ウイルスは背骨に近い神経(脊髄後根神経節)に症状を出さない状態で長年潜んでおり、加齢や疲労、ストレスなどによって免疫力が低下するとウイルスが再び活性化し、帯状疱疹として発症します。
帯状疱疹後神経痛(PHN)とは?
水ぶくれや発疹などの皮膚症状が治った後も痛みが残ることがあり、3か月以上痛みが続くものを帯状疱疹後神経痛(postherpetic neuralgia: PHN)と呼びます。ウイルスが神経を傷つけることで起こる症状であり、高齢、皮膚症状が重い、発症当初の痛みが重いことなどがリスク因子として知られています。PHNの予防のためには、帯状疱疹ワクチンが有効であり、帯状疱疹を発症してしまった場合にはできるだけ早期に治療を受けることが重要です。
帯状疱疹、帯状疱疹後神経痛(PHN)の治療は?
帯状疱疹の治療は、抗ウイルス薬の内服(アメナリーフ、バルトレックス、ファムビル)や点滴(ゾビラックス、アラセナ-A)が基本であり、皮膚症状の出現後72時間以内の抗ウイルス薬投与開始が理想的とされています。抗ウイルス薬の作用発現までに時間がかかるため、早期の受診・診断・治療が重要です。早期に治療を開始しないと帯状疱疹後神経痛(PHN)の発症率が上昇することが知られています。
帯状疱疹後神経痛(PHN)に対しては、鎮痛補助薬(リリカ、タリージェなど)が使用されること一般的ですが、難治性の場合は専門のペインクリニックで神経ブロック注射やレーザー治療が行われる場合もあります。
三田国際ビルクリニックでは、帯状疱疹に対する抗ウイルス薬の処方や帯状疱疹後神経痛(PHN)の初期治療が可能です(難治性の場合は大学病院をご紹介いたします)。
なぜ50歳以上で帯状疱疹ワクチン(シングリックス、ビケン)が重要なのか?
日本人成人の約9割が帯状疱疹の原因となる水痘・帯状疱疹ウイルス(varicella zoster virus: VZV)を保有しており、80歳までに約3人に1人が発症することが疫学的に知られています。また、帯状疱疹の発症には、加齢による免疫能の低下が関係しており、50代から加齢と関連して帯状疱疹の発症率が高くなります。帯状疱疹になった患者さん全体のうち、約7割が50歳以上と報告されています。なお、帯状疱疹の発症率は年々増加しており、例えば60歳以上の年齢層では、過去20年で発症率が約1.5倍に増加していることが確認されています(Toyama N, et al. J Dermatol Sci. 2018)。
このため、50歳以上での帯状疱疹ワクチンの接種が重要と考えられます。
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帯状疱疹ワクチン(シングリックス、ビケン)はどちらを選べばいい?(違い・スケジュール)
帯状疱疹ワクチンには、従来からある生ワクチン(ビケン)と2020年に本邦で発売となった不活化ワクチン(シングリックス)の2種類があります。
ビケンはウイルスそのものを弱毒化した生ワクチンで、シングリックスは帯状疱疹ウイルスの表面に存在する糖タンパク質E(gE抗原)とワクチンの効果を高めるアジュバントという物質を組み合わせた不活化ワクチン(組換えサブユニットワクチン)です。
シングリックスは従来のワクチンと比較し、帯状疱疹ならびに帯状疱疹合併症の発症を防ぐ効果が高いことが報告されています。実際にCDC(米国疾病予防センター)では、帯状疱疹のワクチンとして50歳以上のすべての方へ生ワクチン(ビケン)よりも不活化ワクチン(シングリックス)の接種を推奨しています。
それぞれの製剤の特徴や違いは以下の通りです。
ビケン | シングリックス | |
---|---|---|
特徴 | 弱毒化生ワクチン | 不活化ワクチン (サブユニットワクチン) |
効果 | 発症予防 50% 50代:69.8% 60代:64% 70代:41% 80代:18% 帯状疱疹後神経痛66.5%減少 |
発症予防 97% 50代:96.6% 60代:97.4% 70代:90.0% 80代:89.1% 帯状疱疹後神経痛88.8%減少 |
接種回数 | 1回 | 2回(2回目は2-6ヶ月後) |
接種部位 | 皮下注射 | 筋肉注射 |
価格 | 8,000円(税別) | 20,000円(税別)/回 計2回で40,000円(税別) |
港区の助成金利用 | 助成:6,500円 ※生活保護受給者等8800円 自己負担 2,300円(税込) |
助成:1回あたり15,000円 ※生活保護受給者等1回当たり22,000円 自己負担 7,000円(税込)/回 計2回で14,000円(税込) |
副反応 | 接種部位反応:50.6% 全身反応:3.9%症状は3日〜1週間以内 |
接種部位反応:74.1% 全身反応:43.8%症状は3日〜1週間以内 |
持続期間 | 5年程度 | 9年以上(追跡調査実施中。より長期の効果が確認される可能性あり) |
禁忌 | 発熱している人 製剤へのアレルギーのある人 妊娠中の人 透析中・がん治療中・免疫不全の人 ステロイド・免疫抑制薬使用中の人 カナマイシン、エリスロマイシンの抗生剤にアレルギーのある人 |
発熱している人 製剤へのアレルギーのある人 |
利点 | 安価 副反応が少ない |
高い効果 免疫低下状態でも接種可能 |
欠点 | 効果・持続期間が劣る 免疫低下状態では接種できない |
高価、2回接種する必要がある ビケンよりやや副反応が強い場合あり |
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帯状疱疹ワクチン(シングリックス、ビケン)の費用・予約方法は?
種類 | 帯状疱疹ワクチン(シングリックス、ビケン) |
---|---|
対象 | 50歳以上(接種日時点) |
検査日時 | 平日15:00〜17:15(平日午前の接種は原則、健診・人間ドックとの同時受診の方に限ります) 土曜 8:30〜12:15 |
所要時間 | 15-30分程度 ※状況により待ち時間が生じる場合があります。 |
持ち物 | 本人確認書類(マイナンバー(個人番号)カード、運転免許証、健康保険証等) 港区助成の対象者は、区から届いた専用の予診票 |
費用 | シングリックス 20,000円(税別)/回、計2回で40,000円(税別) ビケン 8,000円(税別)/回 <港区の助成利用> シングリックス助成:1回あたり15,000円 ※生活保護受給者等1回当たり22,000円 自己負担 7,000円(税込)/回、計2回で14,000円(税込) ビケン助成:6,500円 ※生活保護受給者等8800円 自己負担 2,300円(税込) |
予約方法 | Web・電話(Web予約優先) |
注意点 | 港区の助成対象者は、区から届いた専用の予診票が必要です シングリックスは計2回の接種が必要です(1回目の2-6ヶ月後) |
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帯状疱疹ワクチン(シングリックス、ビケン)の港区助成を受けるには?
接種を希望する人は、帯状疱疹ワクチンコールセンター(03-6400-0094)へ申し込みを行い、港区から専用の予診票を入手してください。その後、三田国際ビルクリニックでご希望のワクチンのご予約をお取りください(03-3454-8614, Web予約)。
接種当日に専用の予診票を持参いただき、医療機関の接種費用と助成額との差額をお支払いください。
※助成を受けられるのは、生涯で1度のみです。また、予防接種後に費用を請求できる償還払い制度はありません。
詳細は、港区のHPをご確認ください。
帯状疱疹ワクチン(シングリックス、ビケン)の副反応は?
ビケン、シングリックスいずれも注射部位の局所症状(赤み、かゆみ、熱くなる、腫れ、痛み、硬くなるなど)や全身症状(頭痛、発熱、筋肉痛など)が報告されています。個人差がありますが、シングリックスの方がやや副反応が強く出現する場合があります。副反応は、ほとんどが3-7日以内に自然軽快します。
帯状疱疹ワクチン(シングリックス、ビケン)のよくある質問
- Q. シングリックスを打てば、帯状疱疹にかかることはないのですか?
- A. シングリックスは、帯状疱疹の発症や合併症をかなりの確率で予防しますが、それでも100%ではありません。ただし、シングリックスを接種しておけば、仮に発症しても症状が軽くなり、帯状疱疹後神経痛などの後遺症の予防にもつながります。後遺症が残ると生活の質が著しく低下するため、ワクチンの接種は重要と考えます。
- Q. シングリックスは新型コロナウイルスワクチンと同時に接種できますか?別々に打つ場合、間隔はどれくらいあければいいですか?
- A. 新型コロナワクチンとの同時接種はできません。互いに片方のワクチンを受けてから2週間後に接種が可能です。シングリックスの2回目の接種は1回目の2-6か月後なので、シングリックスの1回目接種と2回目接種の間に新型コロナウイルスワクチンを接種することは可能です。
- Q. シングリックスと新型コロナウイルスワクチン以外のワクチンとの接種に関する制限はありますか?
- A. 他のワクチンとの接種間隔は特に制限がなく、医師が必要と認めた場合には他のワクチンと同時に接種することも可能です。ビケンは生ワクチンのため、他の注射生ワクチンを接種する場合は、接種後27日以上の間隔をおく必要があります。ご不明な場合はお問い合わせください。
- Q. 水ぼうそうにかかったことがないのですが、シングリックスを打っておくべきですか?
- A. 水ぼうそう(水痘)は罹患しても自覚がないことがあり、日本成人のおよそ9割は体内に水痘・帯状疱疹ウイルスを持っていると考えられています。そのため、過去に水ぼうそうに罹患した自覚がなくても帯状疱疹を発症する可能性があります。帯状疱疹の発症率は加齢とともに高くなり、80歳までに3人に1人は発症すると言われています。そのため、水ぼうそう罹患歴がない、あるいは不明な場合でもシングリックスを接種する意義があると考えられます。
- Q. 帯状疱疹にかかったことがあるのですが、シングリックスを打つ意味はあるのですか?
- A. 帯状疱疹の既往がある場合、すでに抗体を獲得している可能性がありますが、帯状疱疹は再発する可能性のある病気です。シングリックスは再発予防にも有効であり、接種することをおすすめします。
- Q. シングリックスの有効期間が9年以上とのことですが、詳しく教えてください。
- A. シングリックスは開発されてからまだ年数が経っておらず、現時点では9年以上の有効性が確認されています。現在、追跡調査中でありより長期の有用性が確認される可能性があります。現時点では、3回目以降の接種の必要性や有効性については明らかになっていません。
- Q. 過去にビケンを打っているのですが、シングリックスは打てますか?
- A. 弱毒生水痘ワクチン(ビケン)接種済者に対するシングリックスの有効性・安全性については臨床試験が行われていませんが、接種不適当者には該当しません。そのため、接種は可能です。